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メヒコ料理の特徴

sopadetortilla  御存知のようにメヒコは、日本の国土の5倍も広い大きな国です。
 一年中暑いユカタン地方も有れば、チワワ州のように冬は雪が降り、夏は40度を越える猛暑と言うように、随分と違っています。
 またメヒコ市のように雪を見ることなく、平均気温20度前後で、冷暖房設備の殆どいらない、住み良いところも有ります。
 当然出来る産物も、各州によって随分違いますし、住民の嗜好その他によって、おなじモーレやポソレとよんでも、材料の組み合わせ、作り方に随分と違いが有ります。
 ここに取り上げたメヒコ料理は、主にメヒコ市周辺の家庭で良く作られるお惣菜料理を中心に選びました。
 メヒコの代表的な人気の有る料理と言えば、日本人はすぐにタコスと辛いチリソースを連想なさる方が多いのではないでしょうか。
 確かに、家庭でもレストランでも、私達の食事には必ず醤油が有るように、各人各様のチリソースを常備していて、肉、魚、炒めご飯に迄、好みでかけて食べています。
 でもチリソースなしでも、けっこう私達の口にあう料理も少なく有りません。
 また、国土に育まれた生理的欲求とでも言うのでしょうか、半年は雨の降らない乾いたメヒコ市で、ピリリと辛い料理を清涼飲料やパパイヤ水などの甘い飲料で口を洗いながら食べると、いくらでも食べられる感じです。
 何と何を組み合わせて献立を作るか、これもメヒコ料理が上達する為の大切な因子でしょう。
 然し、何百年の伝統の中で取捨選択された上手な料理の組み合わせは、日本料理と同じく奥行きも幅も広くて、難しいものだと思います。
 (写真はソパ・デ・トルティージャ)

1)チレ類の上手な利用法

chiles  メヒコでは、野菜と一緒に売られる生の唐辛子は十数種類ありますし、乾物やの店先にうず高く積まれた赤、朱、黒色の十数種類の チレは、大小取り混ぜて、実に壮観です。(メヒコのチレは60〜70種類有ると言われています。)
 兎に角、未熟なマンゴや生パインの輪切り、茹でた玉蜀黍に迄、唐辛子粉を真っ赤に振りかけて、街角で売っているお国柄です。 メヒコの国内線の飛行機の食事には、生の青唐辛子が一本添えられていて、それを齧って辛みを補う訳です。
 スープの中に青唐辛子を少し切り込んでピリっとさせたり、炒り卵の中にもそれが入っています。 でも、日本人が一番馴染めないのは、乾物のチレ類をミキサーにかけた赤い汁を、スープや煮込み料理に使うことでしょう。 丁度、私達が醤油で汁を作り、煮込み料理を作るのと全く同じ感覚で頻繁に使われます。
 パンシータと言う牛胃袋の代表的な煮込み料理は(註1)、2種類くらいのチレをさっと火であぶってから熱湯に漬け、柔らかくなったらミキサーにかけて、この汁を濾して、滓をとります。 一方胃袋は圧力釜で柔らかく煮ておき、チレの赤い汁を加えて煮込み、塩で調味します。 レモン汁を絞り込み、レタスや二十日大根の千切りを加えて食べる、芯からからだのあたたまる栄養料理です。  日本で寒い時は鍋物、おでんなどを食べたくなるのと同じように、メヒコの寒い日はパンシータがもってこいでしょう。 二日酔いにもいいと言われています。
註1:この料理はメヌードとも呼ばれている。 料理の詳細は「その他の肉料理」の頁を。
 また、ポソレという豚肉と玉蜀黍の煮込み料理(註2)もこの方法ですし、アドボと言って肉の固まりをチレ汁が無くなる迄煮詰める料理も有ります。
註2:料理の詳細は「豚肉料理」の頁を。
 組み合わせるチレの種類と数とによって、出来上がった料理の色合いと辛さ、風味がデリケートに違って来るのです。 また、次に述べるように、トマトとチレを半々くらいに合わせて煮込む料理も多く、これはあまり辛くありません。
 また、チレの種を炒って、潰してモーレなどにも入れます。
 生、乾物のチレ類は、メヒコに住む人々のビタミンAの重要な補給源です。


2)トマトは料理のベースに多用される

jitomate  メヒコでは一年中トマトは非常に安く出回っています。 日本ではトマトはサラダなどの生食いが主ですが、こちらはスープや煮込み料理のベースに頻繁に使われます。
 トマト2個に水500cc、玉葱、ニンニク少々加えてミキサーにかけます。 鍋に少量の油を熱したところに、ミキサーの液を濾しながら入れ、粉末スープ、塩で調味したものをエンヒトマタードといって、肉や鶏、魚料理の煮込み、いろいろのスープに用います。
 勿論、トマトピューレーを使って作ることも多い。
訳者註:メヒコでは赤いトマトをヒトマテjitomateとよび、トマテというのは青いトマトである。 また、赤いトマトは丸いものも有るが、写真のようにやや細長いのが多い。



3)香草、香辛料を良く使い、独特の風味をつける

cilantro  メヒコで一番なくてはならない香草はシラントゥロでしょう。 緑色のチリソースに独特の風味をつけます。
 ペレフィルはスープやメヒコ風チャーハン等に入れますが、ひと味違います。
 薄荷の匂いのするエパソテは、魚や玉蜀黍のスープ、ケサディージャ等になくてはならないものです。
 また、香辛料を、精製していない、枝付きで売っており月桂樹の葉、コミーノ、メホラーナの小枝を束にしたジェルバ・デ・オロールは安いし、台所の必需品です。
 肉桂カネラは、果物の砂糖煮や、ご飯を牛乳と砂糖で煮て作る甘いデザートには必ず入れます。
 オレガノはポソレや豚足の酢漬けに必ずかけます。 またパパロという丸い葉の香草を、枝付きのまま売っており、カルニータやとりのタコスを食べる時、歯でむしり取って生食いしていますが、肉の消化を良くするとも言われています。
 特に、ニンニクはメヒコ料理にはほとんど必ずと言っていいほど使われます。
 (写真はシラントゥロ)


4)果物や木の実を上手に使って甘い家庭飲料を作る

jamaica  前述したように、ぴりりと辛いメヒコ料理には、甘い飲料が良くあいます。 勿論市販の清涼飲料や、水で溶かすだけのインスタント製品も数多く有ります。
 然し、庶民の家庭では、未熟でまずいパパイヤや西瓜に、水と砂糖を加えてミキサーにかけ、パパイヤ水、西瓜水などを多く用います。
 また、二人分のオレンジジュースを5人分に薄めてオレンジ水を作る、というように経済的な方法を選びます。 レモン水を常時作っておくような家庭も多いようです。
 木の実を使ったタマリンド水、ハイビスカスの花心(写真左)を煮出したハマイカ水も、さっぱりして美味しいものです。
 また、いつも捨てるメロンの種の部分を、水と砂糖を加えミキサーにかけるオルチャータは廃物利用とは思えない美味しさです。
 捨てる生パインの皮を水に漬け、黒砂糖を加えて発酵させて作るテパーチャなどの生活の知恵には見習うべき点が、とても多く有ります。


5)結論

 私達はとかく、一つの材料が有れば、保守的にすぐ日本風に料理してしまう方が無難ですし簡単です。
 然し時々は、メヒコ料理も簡単なスープなどから始めてチャレンジし、少しづつレパートリーを増やして、食卓にバリエーションをつけていくのも楽しいことではないでしょうか。
 だんだんとメヒコに暮らしていくうちに、この風土に育まれた伝統の味の美味しさも、きっとお分かりいただけることでしょう。


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